センスとやる気と、あとアレと

tempra1842006-07-29

きのう仕事の関係で、TooとAdobeの共同主催による『モーターライズ 映画「日本沈没」メイキング デジタルシネマ制作ワークフローセミナー』とやらに参加してきました


モーターライズの方が来られて、「日本沈没」のメイキング映像を見せてくれました


一番興味をひかれたのは、やっぱ24時間にも及ぶ実写素材集ですね
さまざまな爆発や、水槽と色水を使った黒煙と溶岩などの一部を見せてもらいましたが、あれがあればCG屋の仕事はぐぐっと幅が広がりますよ
同じものをCGで作ろうとすれば、可能ではあるけど、なんせ手間がかかる
そんなら実写で撮ったほうが手っ取り早いと


強調していたのは、3D・2D・ミニチュアはそれぞれの適材適所があるということです
例えばとあるシーンでは、奥の方で倒れるビル群は2Dの静止画、斜め前方に倒れる大きなビルは3D、一番手前の家並みと迫り来る水流はミニチュアで出来ていました
2Dの静止画でここまで真に迫れるということに気づかされて、少し感動しましたね


実際に存在するもの、人がよく目にするものというのはCGで作るのは難しい
なぜなら嘘がつけないから
3Dで人間を作ると、本物に近ければ近いものほど違和感がでる理由はそこです
逆に飛び散る火山岩やなんかは、そうしょっちゅう人が目にするものではない
だから3Dのほうが、製作者が自由に扱えて、思う存分迫力もだせる
そういう使い分けがすごく上手くできてるんだと思います


あと、今回はイメージボードがとても綿密に出来ていたそうで、色の細かい指定までされていて、まさに指示書のようで、スタッフみんながそのイメージをつかめ易かったということでした
それってとても大切だと思います
少人数で作るならまだしも、こんな大掛かりな映画となると、本当にたくさんの人がかかわるわけだし、任される側としては、「おまかせ」っていわれて後で直しいれられるより、細かく指示してほしいですよね
モーターライズでは、個人のやる気を出させるためにひとつのシーンの最初から最後までをまるごと一人に割り当てているそうで
これだけ指示されていても、やっぱりひとシーンごとにそれぞれの個性はでてしまうっていってましたけど


そうきくと、CG屋ってクリエイティブな仕事って印象があるけど、時と場合、場所や知名度によって、天から降ってきた発想を爆発させる芸術的なものもあれば、ライン作業な大量生産、正確な事務作業みたいなものもあるんですよね


でもなんにしても、ここまでできるのは最後にこっそり言っていた数十台のレンダリングマシーンの存在があるからなのだろうけれど…