予想外だ、をください
ボーダホンがソフトバンクになって予想外ないわしですこんにちは
思うに、大学生時代に殊能将之氏の作品に出会ってなければ
いわしはずっと文学畑でごろごろして、オチのない小説を読んでは悟ったような顔をしていたのだろう
先日、米澤穂信氏の講演会で初めて覚えた言葉が「ガジェット」であるが
要するに大学生までの俺に推理小説を嫌煙せしめた正体の一部はこの「ガジェット」ではないかと思われる
パズルでも知恵の輪でも手品でも、謎解き大好きの俺が
大学生になるまで推理小説にハマらなかったのは、謎を文章にすることのおもしろみが全く理解できなかったからだ
全く読まなかったわけではない
江戸川乱歩もコナンドイルも読んだ
その上でハマらなかったのだから、まったくの食わず嫌いではない
当時、俺の知っていた推理小説をめにする度に
「謎だけ取り出してパズルとして解いた方がよっぽどおもしろい」
「部屋の見取り図などを付属させないとわかりにくいようなものならハナからわざわざ文章にしなければいい」と思っていた
文学小説から読書をはじめた俺にとって、ガジェットをそこかしこにちりばめた小説なんて、我慢できないくらい下品なものだったのだ
とはいえ、心の底では推理小説に期待していた部分もある
なんせ謎解きは好きなわけだから
そんなわけで、いわしにまず殊能将之氏の「ハサミ男」を勧め、
次に舞城王太郎氏の「世界は密室でできている。」を勧め、
西尾維新や伊坂幸太郎を勧めたフライ海老氏の行動は、まさに絶妙なものといえる
(特に意識もしてないのに、村上春樹ファンと舞城王太郎・西尾維新・伊坂幸太郎をひきあわせるとは!)
今でも部屋の見取り図が付属した小説には少しうんざりするが、
こうしていわしはまったく謎のない小説や、謎が解明されない小説にはもっとうんざりするようになり、推理小説こそ小説の王道だとまで思うようになったのである
で、なんで久しぶりにこんな長文を書いたかというと
まさにいま殊能将之氏の「鏡の中は日曜日」に執心中だからです
例の、おいしいものは後にとっておく癖が災いして、読むのが今頃になってしまったわけですよ、ごめんなさい
でも作中で石動戯作も大好きな小説を「もったいなくて読むのをやめてしまった」って言ってるし、そういう気持ちってあるんですよ
それにしても、あー、ホント殊能将之ばんざーい